
カスタマージャーニーマップって聞いた事ありますか?
Web、リアルを通して、事業全体のマーケティング戦略を考える時だけでなく、コンテンツマーケティングでどのようなコンテンツを作るか?を考える上でも必要なものです。
しかし、実際には「聞いた事はあるけど作った事はない」と方が多くなっているように感じます。
そこで、今回は
- カスタマージャーニーマップとはなんなのか?
- 何故必要なのか?
- 実際の作り方
- 活用していく上での注意点
をご紹介します。
目次
カスタマージャーニーマップとはなんなのか?
カスタマージャーニーとは、お客様があなたのサービスを全く知らない状況から、サービスを知り、検討し、購入。
そして、商品やサービスによっては、リピートするまでの一連の流れです。
カスタマー:顧客
ジャーニー:旅(「一連の流れ」を旅に置き換えている)
そして、カスタマージャーニーマップとは、この一連の流れを時系列に並べ、可視化し、
- どのようなアプローチをするか?
- どのように改善していくか?
までをまとめたものです。

※今回は、弊社の撮影スタジオのマーケティングのために作成したものを簡易化して利用しています。
何故カスタマージャーニーマップは必要なのか?
現在、検索やSNSの進化、多様化により、お客様が商品を探す際にも様々な行動を取るようになってきました。
もちろん一般の店舗のように
- SNSで知る
- 店名で検索
- 商品、金額や立地を確認
- 来店
- 購入
のような流れもあります。
しかし、お客様が商品やサービスにたどり着くまでの流れが、想定しにくいものもあります。
例えば、私がドレスのレンタルサービスのサイトをお手伝いしていた時の事なのですが、お客様がどのような流れでレンタルするかユーザテストを行い確認したところ、
- 「ドレスの用途 色 形」などで検索
- 画像の検索結果一覧をさーっと見る
- 良さげなものをクリックすると、多くの場合はショッピングサイトに行き着くので、ショッピングサイト内でいくつか閲覧。
- 見ていく中で、金額での絞り込みをする。ただ、色や形に関しては、初期からブレがない。
- ショッピングサイト内で良さげなものをメモ。
- メモしたものをレンタルを行っている大本のサイトで詳細に確認
- レンタルするかの判断
といった流れで、レンタルを検討されていました。
こういった購入までの流れは想像できましたでしょうか?
また、会社として全員で共有できていましたでしょうか?
このような購入まで流れに合わせて、施策を打っていかなければ、どれだけSEO対策をしても、SNSで拡散させても意味がありません。
そのためには、購入までの流れを可視化し、可視化したものを会社で共有し、各部門共通の認識の上で施策を考えていく事が必要になります。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップは以下の手順で作成していきます。
- スタートとゴールを決める
- ペルソナを設定する
- 行動を洗い出す
- 行動をグルーピングする
- 思考を考える
- 顧客との接点を洗い出す
- 対応策を考える
1.スタートとゴールを決める
主人公となる人や企業の担当者が
スタート:最初にどのような状況だったか?
ゴール:最終的にこういう状態を目指すべき
という、スタートとゴールを決めます。
BtoBの場合のスタート例
- 〇〇が出来なくて困っている
- ◯◯するための方法を模索している
- 〇〇出来る場所を探している
など、悩みや検索からスタートする事が多くなっています。
BtoCの場合のスタート例
- あなたの商品を知らない状態
- 便利なサービスが無くて探している
- とりあえず会員登録したけど購入には至ってない
などの「状態」になることが多くなっています。
ゴール設定に関して
BtoB、BtoCいずれにおいても、ゴールに関しては、スタートからの変化を数値で測れるものを設定してください。
また、ゴールを設定するにあたり、必ず期間とセットで設定をしてください。
2.ペルソナを設定する
カスタマージャーニーマップの主人公となる、メインターゲットの人物像をまとめていきます。
BtoCの場合
サービスや商品を最も利用してほしい、特定の1人を決め、その人の情報を書き出していきます。
その際に良く書き出される項目としては、
- 名前、性別、年齢、職業、年収、家族構成、居住エリア、行動エリア
- 趣味、平日・休日の時間の利用の仕方、良く利用するSNS
- プライベート、仕事などの悩み
などが挙げられます。
BtoBの場合
BtoBの場合には、ターゲットとなる企業と、担当者をそれぞれ検討していきます。
企業:企業名、業種、提供サービス、売上規模、従業員数、企業風土
担当者:氏名、部署、役職、担当業務、ビジネス上の目標、課題
などが挙げられます。
3.行動を洗い出す

まず、スタートとゴールの行動を書き出します。
その後に、スタートとゴールの中で取るであろう行動を全て書き出してください。
例:弊社の撮影スタジオの場合
スタート:「撮影 カフェ」などで検索
ゴール:利用後、SNSで拡散
間にある行動は以下のようなものが挙げられます。
- ポータルサイト内を検索
- 友人知人に聞く
- 雰囲気、金額、立地で比較
- 見学に行ってみる
- 仮押さえをする
- 実際に利用
この際には、とりあえず数を出す事が重要です。
4.行動をグルーピングする

「3.行動を洗い出す」で出した行動をグルーピングし、ターゲットが検討していく順(フェーズ)に並び替えます。
例:弊社の撮影スタジオの場合
フェーズ1:リサーチ
- 「撮影 カフェ」というキーワードで検索
- ポータルサイト内を検索 ・友人知人に聞く
フェーズ2:比較検討
- 雰囲気、金額、立地を中心に情報を集める
- 見学に行ってみる
- 仮押さえをする
フェーズ3:利用
- 実際に利用
- 使い方がわからないものがあり相談
フェーズ4:シェア
- 撮影したものをSNSなどにでシェア
- 友人に伝える
ターゲットが検討していく順がわからない場合には、AISASなどのユーザ行動パターンに一度整理し、その上で細分化していく形を取るとAISASなどのパターン化されていない顧客の行動を洗い出す事が出来ます。
5.顧客との接点を洗い出す

フェーズ毎に、
- 検索ならば、検索
- SNSでしるならば、SNS
- 店舗ならば、店舗
- 来店にあたり、地図を調べるなら、ホームページのアクセスページやGoogleマップ、スマホ
など、ターゲットとの接点を洗い出していきます。
6.ターゲットの思考(感情)を考える

フェーズ毎に顧客の感情や、抱く感想や疑問を洗い出します。
この感情や感想を洗い出す事で、次の施策を検討しやすくなります。
7.対応策を考える

ターゲットの行動、接点、感情を元に、各フェーズ毎に対応策を検討します。
コンテンツマーケティングの場合には、どのフェーズにおいてどのような情報を提供するかも検討していきます。
活用していく上での注意点
カスタマージャーニーマップを作成はしたものの、あまり活用出来ていないといった方も多くいらっしゃいます。
その際には、以下の要因が考えられます。
注意点1:現実とずれてしまっている
これはカスタマージャーニーだけでなく、ペルソナでもありえるのですが、本来は、
- 実際のデータ
- 過去のお客様
に基づいて作成を行います。
しかし、作成している最中に、自身のサービスを売るために都合の良い内容が盛り込まれ、最終的に現実とズレた内容になってしまっている事があります。
そうならないためにも、お客様にヒアリングを行い、実際のお客様と作成したカスタマージャーニーマップとの差を無くして行くようにしましょう。
注意点2:1度作成した後に改修されていない
どれだけ正確なカスタマージャーニーマップを作成しても、年月に伴う外部環境(流行り廃り、技術、経済、法律など)の変化により、ユーザの行動や考え方も変わって来ます。
また、ユーザの行動の変化に対して、内部環境(自社のリソースなど)の変化による、対応施策も変化していきます。
その結果、現実とのズレが生まれてしまう場合もあります。
そのため、見直し、修正し、改善するようにしましょう。
注意点3:最初から詳細に作り過ぎない
利用できていないケースとしては、カスタマージャーニーマップを詳細に作り過ぎてしまい、そのとおりに運用する事ができない。
といった事が多くあります。
そのため、最初は簡易的に作成し、運用する中で見直し、改善する事をおすすめします。
また、カスタマージャーニーマップのデザインに関しても、最初は簡易的なもので良いと思います。
事例を探すと、カラフルで手の混んだものが多く見つかります。
しかし、最初からデザインを重視して考えてしまうと、
- カスタマージャーニーマップを作る事が目的となり
- 良いものを作ろうと細かくなってしまい
- 運用できない
といった事が良くあります。
そのため、最初はシンプルに作成し、運用していく事をおすすめします。
お客様を知る事が基本
本来は、「お客様がどのように考え、どの様に行動をするか?」を考えた上で
- サイトへの流入施策や流入を促すためのコンテンツ企画
- サイト内導線
- サイト後の導線
を検討していきます。
そのため、まずはお客様を知り、カスタマージャーニーマップを活用して可視化してみてください。
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こんにちは。㈱シンラウンド代表の中島 達(@NakajimaSatoru)です。